おすすめの書籍

貧困の中の子ども: 希望って何ですか

下野新聞子どもの希望取材班

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下野新聞の連載が書籍化されたもの。

命をつなぐことはできていても、お金がないことで困窮した生活を強いられる「相対的貧困」。

いま、子どもの6人に一人が貧困の中で生きているという。本書では、この現状をリアルに伝ている。



心的外傷と回復

ジュディス・L・ハーマン著

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DV・虐待加害者の実体を知る

ランディー・バンクロフト著

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環状島=トラウマの地政学

宮地尚子著

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ライファーズ 罪に向き合う

坂上香

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メディア4YOUTHワークショップで定期的にお世話になっている坂上香さんの新刊が出版された。この本で描かれているのは、社会とのつながりを断たれた元受刑者がアミティのプログラムを通じて社会とのつながりを回復する姿である。

 

アミティとは、米国アリゾナ州を拠点とする民間の更生団体である。アミティのプログラムを経た受刑者の再犯率は通常の3分の1以下にもなるという。その活動の特徴は、刑罰でも矯正でもなく、語り合いを通して生き方そのものを変革していく点にある。

 

私の興味はやはり、坂上さんが20年近くにも渡り取材してこられたアミティとメディア4YOUTHとの関係であった。DV被害家庭の子どもと受刑者、もちろん状況は違うが、社会とのつながりが断たれてしまっている点では共通する。

 

その間に入って、社会とのつながりを回復する媒介となる。そして、暴力の連鎖を断ち切る。このような役割を果たすアミティとメディア4YOUTHは重なってみえた。

 

驚くべきことにアミティのスタッフの多くは元受刑者や元薬物依存者だという。そして、そのプログラムで重要な役割を果たしているのはライファーズ(無期刑受刑者)である。彼らがプログラムの中で罪と向き合い、他の受刑者を牽引する姿は頼もしくもある。

 

多くの人は、犯罪者に対して刑罰を科すことになんら異論はないだろう。しかし、社会から暴力をなくすためには、刑罰という方法がベストなのだろうか?他に選択肢はないのだろうか?本書はこのような問いに対して、ひとつの解決策を提示するものである。是非多くの人に読んでもらいたい。



やさしさをください 傷ついた心を癒すアニマル・セラピー農場

大塚敦子

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この本は、「わすれな草農場」での日々を追ったノンフィクション作品である。

 

「わすれな草農場」では、虐待やいじめによって傷ついた子どもたちが、動物たちと触れ合い、世話をする。その中で命の大切さや「やさしさ」、相手の気持ちを尊重することについて学んでいくのである。

 

特徴的なのは、この農場にいる動物が虐待やネグレクトを受けて保護されるなど、人間に見放された動物ばかりであるという点である。子どもたちは、動物と自分たちを重ね合わせてみている。自分たちと同じような目に合った動物達が、安全な環境でたくさんの人に愛されているのを見ることは特別なことだという。

 

 子ども向けに書かれた本だということで、一文一文が簡潔でとても読みやすい。しかし、内容は濃いもので学ぶべきところが多くある。ただ単にアニマル・セラピーというだけではなく、子どもの回復プログラム全体に共通する重要な考え方や、方法が紹介されている。

 

  特に、子どもプログラムに関わるボランティアのみなさんにぜひ読んでいただきたい本である。「わすれな草農場」のようなプログラムが日本でも実現されることを願いたい。



Q&A DV事件の実務 相談から保護命令・離婚事件まで

榊原富士子監修 打越さく良著

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DV被害者支援に携わる者にとっては非常にありがたい一冊である。

 

DVの一般論から丁寧に解説されており、資料も多く引用されているので充実した内容となっている。

 

DV防止法については、沿革から問題点、各国の例などが詳しく解説され、特に保護命令については約30ページが割かれており、わかりやすい。

 

DV防止法についてだけではなく、ストーカー規制法やDVを原因とする離婚手続きについて、子どもに関する問題、外国人に関する問題、相談や受任に際し注意すべきことにも触れられており、法的な面で支援者にとって必要な情報が網羅されている。

 

巻末にはQ&A実務解説もあり、かゆいところに手の届く内容となっている。